実写版ライオン・キング公開直前ということで関連作品を視聴。
2は1と同じく子供の頃にビデオテープを持っていてよく観ていた作品です。
昔はプリンセスのラブストーリーとして気に入っていたのですが、今回はシンバの成長と新世代への希望が心に残りました。
Contents
基本情報
原題は「The Lion King II:Simba’s Pride」。1998年10月27日公開(日本では1999年8月26日)。
ディズニートゥーンスタジオ制作のビデオ用作品。シリーズ前作は「ライオン・キング」で、次作は「ライオン・キング3 ハクナ・マタタ」。
監督はダレル・ルーニー(「ムーラン2」「わんわん物語Ⅱ」の監督)、ロブ・ラドゥーカ。
どんなお話?
王となったシンバとナラの間にキアラという女の子が誕生。おてんばなキアラは父の言いつけを守らずアウトランドへ近づき、追放されたライオンの群の子供コブと仲良くなります。
その後美しく成長したキアラはコブと再会しますが、母親からシンバへの復讐のために育てられていたコブはシンバの命を狙うためにキアラに近づいたのでした。
一緒に過ごすうちに惹かれあっていくキアラとコブ。コブがキアラへの愛を自覚しシンバへの復讐に迷いを感じ始めた頃、アウトランドのライオンたちによるシンバへの復讐計画が動き始めてしまいます。
どんな人にオススメ?
- 前作「ライオン・キング」のファンで、シンバの王としてのその後が気になる方
- ティモンとプンバァ(ザズーやラフィキもいるよ!)の活躍がもっと見たい方
- ミュージカル映画好きの方
- プリンセスと王子以外という組み合わせのラブストーリーが好きな方
キャラクターピックアップ
キアラ
シンバに似た赤い瞳とナラに似た美しさを持った女の子。
オープニングでの赤ちゃん時代は見た目がシンバにそっくりだけど、おっとりしていたシンバとは行動・性格でちゃんと描き分けられていて面白い。
子供の頃は後継であるという決められた未来に抵抗があり、心のままに生きたいと願う。しかし、成長すると父の言葉を借りて父を説得するまでに成長。逞しいプリンセスとなった。
負けん気が強そうなのに相手の勇気や自分の狩りの腕について素直に認めるところが素敵だと思う。
コブ
スカーが後継に選んだ子供。スカーの実の子供ではないけど、毛色などは似ている。後に緑色の瞳を持つイケメンに成長。まだ若造だけど後々スカー並みに色気が出るといいですね。
復讐の道具として育てられたため子供の頃から遊び方を知らず、あんなに恐ろしく寝つきにくそうな子守唄を聞かされ続けたのかと思うと不憫。
狩りは上手いようだけどおいしいシーンはシンバとキアラに持っていかれたような。
物語の終盤、ジラに手をあげられスカーと同じ左目に傷が付く。
シンバ
前作主人公で本作では過保護気味のパパ、そして王。
父であるムファサを尊敬し、王としてムファサが作った法を守りムファサがするであろう選択をしてきている。
しかし、今回は追放したアウトランドのライオンでありキアラの命の恩人でもあるコブを群に迎えるかという選択を自分で決めなければならなくなり、王としてまた一段階の成長を見せる。
未だにムファサの最期の場面を夢に見ているところが辛い。スカーの記憶とコブが重なる中でコブを迎える判断をしたシンバの強さにグッときます。
ジラ
コブの母。コブが生まれた後アウトランドに追いやられた群の中の1匹であり、その群のリーダー的存在のよう。スカーに心酔し今は亡きスカーのためにシンバへの復讐を誓う。
自分の子どもたちを復讐の道具として育て生涯を復讐に捧げた彼女は本作のヴィランでありながら悪い奴というよりもただひたすらに哀れな女性という印象。
ヌカとビタニ
ジラの子どもでありコブの兄弟。ヌカが長男、ビタニが長女。本作にはハイエナがいないので、2匹がその代わりでもある。
ヌカは次男だったため王になれなかったスカーの逆で、長男なのに後継に選ばれなかった。母親のジラに認められたい気持ちが強く、シンバを追い詰めながら「母さん見てる?」と得意げに振り返る姿が切ない。
ビタニは小さい時からジラの思想に忠実かと思われたが、キアラやコブと同じ新世代でもある。そんな彼女の外見も、意地悪そうでありながらも紫色の眼をした美人である。
ティモンとプンバァ
1作目でも大活躍だった2匹のコンビは本作でも大暴れ。面白パートを担いつつ、シンバを手伝いキアラを見守ったりといいおじさん的な面も見せてくれる。キアラの遊び上手なところも彼らのおかげだと思うとほっこり。
タイトル前の一コマと、キアラとコブが初めて出会い親たちが出てくるあたりの自己紹介が面白い。
私の注目ポイント
2も名曲揃いだと思う
最初の曲は壮大でムファサを思い出させる「He Lives in You」。子供の頃気づいてなかったけど完全に松崎しげるさんの歌声でした。「オリバー ニューヨーク子猫ものがたり」といい、ディズニーと相性がいいんですね。素敵な歌声です。
「We Are One」はシンバとキアラの曲。後に2匹のことだけではなく、ライオンという種族、そして他の動物たちも含めて“我らひとつ”と歌っていることが分かります。
「My Lullaby」はジラによる子守唄。邪悪な歌詞とこれを子守唄にするというシチュエーションがなんとも恐ろしく、しかしなんともかっこいい。
「Upendi(ユペンディ)」はラフィキによる愛の歌。「リトル・マーメイド」の「Kiss The Girl」的な、若者の恋をおじさんが応援する曲です。
「Not One of Us」はコブ追放の曲。母親であるジラに突き放され、その時に左目に傷がつきます。これがスカーと重なり、プライドランドでも国中から恨まれる対象へ。2曲目の「We Are One」と対になってるんですかね。
「Love Will Find a Way」はキアラとコブの曲。愛を歌うロマンチックなデュエットは必須です。
恨みを乗り越え、新しい世代へ
崖にしがみつくジラに向かってキアラが手を伸ばすシーンは、1でムファサやシンバに爪を立てたスカーのシーンの逆。
前作とは違い自分が手を伸ばせば助かる状況で、恨みが強すぎるあまりにそれができなかったジラの姿がなんとも言えない。後には恨みや復讐心の虚しさだけが残ります。
またシンバがコブに言った「炎は命を奪う。でも焼けた草原から前の世代よりもいいものが育つ場合がある。チャンスさえ与えればね。」というセリフ。チャンスを与えようとしたシンバと与えることができなかったジラ。
この辺りは新しい世代側だった子供の頃よりチャンスを与える側になってきた大人の今の方が面白く観ることができました。
この映画が好きな人へのおすすめ作品
- ライオン・キング(もちろん観ているかと思うのですが、映像の迫力、楽曲、物語のスケール、全てにおいてやはり1作目は強いです。)
- ディセンダント(DCOM。ヴィランに悪として育てられた子供の葛藤をメインとして見たい場合はおススメです。)
- ポカホンタス(対立し合う勢力の間で芽生える愛がお好きならこちらもどうぞ♪)