ディズニープラスオリジナル作品、SPARKSHORTSアニメ映画「ループ」の紹介と感想です。
タイムループの話かと思ったら全然違った。優しい子だよマーカス。
未視聴の方向け
基本情報
原題「Loop」2020 8分
SPARKSHORTS(スパークス 奇跡の瞬間)作品のひとつ
脚本・監督(written and directed by) Erica Milsom
制作(produced by) Krissy Cababa Michael Warch
あらすじ
キャンプでのカヌーの時間に遅れてしまったマーカス。岸にはレネーが乗ったカヌーだけが残っており、指導員に2人で一緒に乗るように言われました。
喋らないレネーが苦手な様子のマーカス。それでも何かしたいことがある様子のレネーを見て、彼女を理解しようとコミュニケーションを図っていきます。
どんな作品?
自閉症の少女レネーと少年マーカスが一緒にカヌーに乗りなんとかコミュニケーションを取ろうとする様子を見守る感じ。
自閉症についてよく知らない方は特にレネーの行動が分からずマーカスと一緒に困惑することになると思います。
コメディでもないし万人受けするタイプの作品ではないけど、やさしさをこれでもかと感じるし視聴後は心にいつまでもじんわりとくる印象深い作品なのでちょっとでも気になったら観てほしい。8分だし。
視聴後の方向け
感想
あらすじも読まずに視聴を開始したので勝手にタイムループするファンタジーものだと予想していましたが、ファンタジー要素はなかったです。
ただ夕暮れの湖畔や日光の美しさにはファンタジーを感じました。
私の近しい周りには自閉症の方がいなかったのでほとんど知識がなく、ただひたすら”どうしてほしいんだ?””何をしたら嫌がってしまうんだ?”とマーカスに共感し困惑する気持ちで観てました。
同じことを繰り返すループが自閉症の特徴のひとつなんですね。
レネーの声は自閉症の女性が演じていて、きっと詳細に調べたであろうレネーの一挙手一投足がよりリアリティを感じさせます。
マーカスがオールを置く音がレネー視点だとやけにゴトっと大きく響いたりするのも伝わりやすい表現でよかった。
最初は色々なカヌーの漕ぎ方など自分の好きな話題を振っていたのに、すぐにレネーの好きなことに寄り添おうとするマーカスの急成長っぷりがすごい!
気持ちよさそうに草に手を伸ばすレネーと同じように草に手を伸ばしてみるシーンが素敵でした。
最初に指導員がレネーに「ワンワンワン!」と声をかけているのを聞いて「何それ…」と言っていたマーカスも中盤には自然とレネーに「ワンワンワン」と声をかけたり。身振り手振りを使ってみたり。
他にもやさしさを感じる素敵なシーンが詰まりすぎてて書ききれないです。
ただ、キャンプで子供たちがカヌーを漕いでいる場所をボートが勢いよく通るのが、レネーたちだけに限らず危なくて気になりました。こわい…。
「宙を舞う」と「ループ」
「ループ」より先に同じSPARKSHORTSの「宙を舞う」という作品を見たのですが、どちらも自閉症を扱った作品。
「ループ」が同年代視点、「宙を舞う」が親視点なので共通するところもありながら違う印象や見方を与えてくれます。
「宙を舞う」の方がとっつきやすく、「ループ」の方がより深く知れる感じでどちらもおすすめ。
よく分からない、理解できないから避けようじゃなくて理解しよう、受け入れようとすることの大切さを改めて気づかされる作品たちです。
短いアニメ作品だから子供にも見やすいし、道徳の授業とかでSPARKSHORTSを毎回1作品取り上げてディベートとかしたらいいんじゃないかな!
SPARKSHORTS(外部リンク)