ピクサー短編作品、「月と少年」の紹介と感想です。
何のお仕事か分かった時のトキメキがすごい。なんて可愛いの!
基本情報
原題「La Luna」2011(ディズニー+表記:2012) 6分
Written & Directed (脚本・監督) by Enrico Casarosa(エンリコ・カサローザ)
Produced (制作) by Kevin Reher
Executive Producer John Lasseter
ピクサーアニメーションスタジオ作品。
あらすじ
少年とその父と祖父の3人が小さな船で向かうのは、大きな月の真下。
月に碇を下ろし、3人の仕事が始まります。
今回が初仕事の少年は、父と祖父の流儀の板挟みになりますが…。
どんな作品?
「メリダとおそろしの森」の同時上映作品。
初上演はフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭。
本作で監督デビューを果たしたエンリコ・カサローザは後に長編「あの夏のルカ」の監督も務める。
第84回アカデミー賞-短編アニメ賞ノミネート。
第39回アニー賞-短編アニメ賞ノミネート。
ナラティブ国際3D協会賞-短編3D映画賞受賞。
引用元:PixarWiki
感想(ネタバレ注意)
ビジュアルもストーリーも絵本の世界
背景にはパステル、他にも水彩などのテクスチャを使っているらしいのですが、それらで表現されるのは柔らかさと温かみ。
他にも丸みのあるキャラクターや月の上で光る星を扱うお仕事という設定など、何もかもが優しくて可愛らしい世界観です。
服装や手漕ぎの船、木製の道具入れにモップや箒などのアナログな道具たちも童話らしさがあって素敵です。
監督が好きなもの
私がズバリ当てましょう。監督は海と星と宮崎駿作品が好きなはずです。
「あの夏のルカ」を見たと気に「月と少年」に似てるなぁと思って、後で同じ監督であることを知りました。
その似てるなぁと思った主な共通点が、海と星と宮崎作品っぽさです。
あと、無口だけど優しく力強くてでも繊細なお父さん、なんかも共通点かな。
エンディングの手書きっぽいイラストもジブリっぽさを感じるし、父と祖父のビジュアルもジブリにいそうな気がします。
この作品については「星の王子さま」の影響も受けているそうなのですが、こちらは本を読んだのが昔過ぎるせいか気づかなかったなぁ。
言われてみれば小さな惑星(月だから衛星か)に少年が立っている様は確かに星の王子さまに似ているかも。
父と祖父に板挟みの少年
帽子の被り方から仕事に使う道具まで、自分が1番いいと思っているやり方を少年に伝えたい父と祖父。
2人が言い争ってしまうようなシーンもありますが、少年があまりにも気にしていないのでこちらもそこまで心が痛まなくて済みました。
父と祖父のそれぞれの仕草を真似してみたり道具と髭を比べてみる少年からは、どちらのことも大好きで尊敬している様子が伝わってきます。
短編なので初仕事としては急成長すぎるようではありますが、自分のやり方を見つけて父と祖父を認めさせ今後対立を生ませないような終わり方も良かったです。