「ピクサーの舞台裏」:そんな職種まで?様々なピクサー社員大集合!

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ディズニープラスオリジナル作品、「ピクサーの舞台裏」の紹介と感想です。
思っていたより幅広く焦点を当てていておもしろい!アニメ制作のドキュメンタリーなんて見つくしたよ…という方も是非。

ピクサーの舞台裏
画像:「Disney+」より
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基本情報

原題「Inside Pixar」2020 1シーズン20話 各10分程度

Disney+オリジナル作品

ディズニープラスでしか観られない「ディズニープラスオリジナル作品」。 いったいどんな作品がどれくらいあるのか気になったので、今現在公開され...

概要

ピクサー社で働く様々な社員に焦点を当てるドキュメンタリー。

ひらめき・人物・出発点・分析の4つのテーマで映画作りやそれを支える社員を特集している。

↑「ピクサーの舞台裏」トレーラー

どんな作品?

ピクサー社の中を覗くことができるドキュメンタリー作品。

映画製作に関する話も社員に関する話も全体的なざっくりとした話ではなくかなり狭いところに焦点を当てているのが面白いです。
社員に関しては各話一個人に焦点を当てているので勝手に親近感がわくほど身近に感じます
ピクサーがたくさんの人たちが社員として集まり成り立っていることが改めて分かりました。

映画作りに興味がある方、ピクサー社自体に興味がある方、クリエイターという仕事に興味がある方など、いろんな方におススメ!
作品数がたくさんあるけど気になる話だけ見ても大丈夫です。

各話紹介(ネタバレ注意)

ネタバレってこともないと思うけど…。どの話が気になるか、参考にしてください。

ひらめき

1.ひらめき:ケンプ・パワーズ リアルな脚本

↑”ジョー”のリアルさを追求するケンプ・パワーズさん

「ソウルフル・ワールド」の脚本について。

床屋のシーンについての想いが印象的。確かにあのシーンでジョーの生活のリアルさが増すというか、良いよなぁ。
関係ないけどあれちょっと「星の王子ニューヨークへ行く」を思い出すんですよね。

2.ひらめき:ディアナ・マルシリエゼ 視点を変える

↑おしゃれなディアナ・マルシリエゼさん

キャラクター・アート・ディレクターのお仕事。

キャラクターの生まれ方が面白い。その過程で生まれた作品が素敵で、ピクサー展とかで展示してほしい。

ディアナさんの服装・アクセサリーすべて可愛くて、本人がキャラクターみたい。

3.ひらめき:スティーヴン・ハンター 幼少期の自分に捧げる

虹色の横断歩道
↑多様性を象徴する虹色の横断歩道

「殻を破る」(「OUT」)の監督のお話。

映画の家族もとても良い家族だけど、監督のご家族もとっても素敵。
LGBTに今よりも理解がなかった頃、辛い経験をしてきた監督の映画への想いにぐっときます。

4.ひらめき:ジェシカ・ハイト セリフに隠されたヒント

↑脚本の管理をするジェシカ・ハイトさん

スクリプターさんのお仕事。セリフの内容に抜け漏れなどがないかのチェックなどをします。

私が驚いたのは、セリフの男女比にまで気を遣っているというところ。これが世界で愛される映画を作る大企業のお仕事なんですね…!配慮が凄い。

5.ひらめき:ダン・スキャンロン アイデアが生まれる場所

↑ひらめきを探すダン・スキャンロンさん

「2分の1の魔法」の監督のお話。
ファンタジー映画なのにベースはこんなにも監督の人生そのままなのだと驚きます。

映画もすごく良いお話だったけど、監督の家族の話だけで泣きそう。

人物

6.人物:シンシア・ラスク 国際版制作ディレクター

↑会議に向かうシンシア・ラスクさん

クリエイティブ・フィルム・サービスおよび国際版制作ディレクターのお仕事。

文字以外の方法(イラストなど)で伝える”ニュートラル”などを駆使して映像に出てくる文字(標識や看板、メモなど)の変更を行っていきます。

世界中に公開されるし小さな子供から楽しめるピクサー作品だからこその様々な工夫を知ることができるのが面白い!
世界各国とやり取りし国際版を製作するグローバルな仕事ぶりがかっこいいです。

7.人物:メアリールー・ジェイソ パティシエ

お菓子作り
↑「2分の1の魔法」モチーフのデザートを作るメアリールー・ジェイソさん

ピクサー社のパティシエ。彼女一人でカフェのデザートをすべて作っているのだから驚きです!

普通のデザートだけでなくピクサー作品や祝日にちなんだお菓子を考案しているのでとにかく見ているだけで可愛らしく楽しい回です。

仕事に誇りを持っているだけではなく、もちろん大変な仕事なのにすごく楽しそうに話されているのがとても印象的。飼っている猫もとても可愛いです。

8.人物:ラシェル・フェデリコ 制作アシスタント

↑プロデューサーを目指すラシェル・フェデリコさん

子供の頃からピクサー映画が好きで、近くにピクサー社があることに運命を感じ何度も何度も応募し入社した女性。
なんだかドラマの始まりのようないきさつのアシスタントさんです。

前職の他業種マネージャーから一転、ピクサーでは最年長アシスタント。でもすごく楽しそうに働いている姿がとても印象的です。
最前線で映画作りを見られるのは確かに刺激的!

余談ですが壁に貼る進捗表がただの棒グラフではなく楽譜に音符を並べていくというところがピクサー社らしくておしゃれ。

9.人物:バーニー・ジョーンズ 音楽編集者

↑音楽を作るバーニー・ジョーンズさん(左)

仮音楽編集、つまりシーンに合う音楽や効果音を短時間でイメージ通りに用意するお仕事です。
イメージを音にするというのがとても難しそう。

仮音楽なので実際の映画には彼の音は全く使用されないというのがはたから見ると切ないのですが、とっても大切な工程であることは理解できます。

彼は誕生日の社員を訪ねる”バースデー隊”の活動もしています。職種を越えてすべてのピクサー社社員と交流できる素敵なアイデア!

10.人物:パティ・ボンフィリオ 設備管理統括

↑チームを率いるパティ・ボンフィリオさん(手前)

一日約1万5千歩も歩いてピクサー社のすべての設備を管理するお仕事。ピクサー社って8万9千平方メートルもあるらしい…。

パソコンやエアコンなどの機械類から棚やゴミ箱などの設備類、社内イベントの企画までやることは様々。ミニゴルフ大会楽しそう!

ピクサー社は仕事部屋を自分の好きなようにデコレーションできるらしく、個性的でとても仕事部屋とは思えない部屋の数々が見られるのも面白かったです。

出発点

「カーズ/クロスロード」クルーズ役のクリステラ・アロンゾがナビゲートするシリーズ。

11.出発点:映画作りのレシピ

映画作りをケーキ作りに例えて紹介。まさに映画作りのドキュメンタリーという感じで、名作の脚本や絵コンテなどをたくさん観ることができる贅沢な回です。

ざざーっと全体の流れが分かるような…足りないような…。だいぶシンプルな説明です。

12.出発点:キャラクター作り

キャラクターを作り上げる工程について。
性格やイメージから外見が作られているって、考えてみるとなんだか不思議ですね。

様々なキャラクターの原案イラストや制作過程が見られるのが興味深い!
何気なく見ている好きなキャラクターたちがこんなに繊細に作りこまれていると改めて感じられて良かったです。

13.出発点:レンズを通して

実写映画であればカメラで役者を撮影する、という状態をイメージしやすいのですが、3DCGアニメーションも実写と同じように仮想カメラで仮想役者を撮影しているというのはなんだか不思議な感じがします。

仮想カメラなのでどんな動きでも可能なのに、実際のカメラワークで不可能な動きはしない、というピクサーの哲学が面白かったです。

またカメラワークによって感情や世界観を表現できることが、素人の私には驚きでした。

14.出発点:アニメーションと演技

キャラクターの動かし方。パソコン上で曲線を操ることでキャラクターが生き生きと感情を持つことがなんとも不思議に感じます。

眉毛の重要性は理解していましたが、歩き方の重要性も言われてみれば確かに!すべての動きに意味があるんですね。

15.出発点:色と光と感情と

ライティングに関しても、実写映画ならピンときますが3DCGではなぜかその概念を意識していませんでした。

映画の1シーンにおける色味やライティングの比較映像をたくさん見せてくれるので、すごく分かりやすかったです。

分析

16.分析:時間

抽象的なものである”時間”をどのように表現しているか。

カールのネクタイのデザイン変遷や、死者の国の建物デザインが時を知る手がかりだったなんて…。奥が深いです。

17.分析:愛される悪役

見た目からいかにも悪役やキャラクター、共感するキャラクター、ヒーローから一転するキャラクターなど。ピクサーの悪役って共感型が多い気がします。

「インサイド・ヘッド」の悪役についての話が面白かったです。

18.分析:目を細めて

タイトルだけだと内容が想像できませんが、目を細めて見てもそのフォルムからキャラクターが把握できるということだと思います。

デフォルメされているのにリアルというアニメーションらしい特性がよく分かる分析です。

イーゴの個性の表現、知らなかった!エドナのイメージイラストがおしゃれで好き。

19.分析:心のドライブ

カーズの話かな?と思いますが、全ての作品の乗り物の分析。もちろんカーズの話もたくさんあります。

ボブの車、マンツの飛行船の話が好きです。フリッターの解説も。

みんな大好きピザプラネットトラックのお話もありますよ!ウッディとバズの異なる性格を1台のトラックで表しているなんて考えたことなかったです。

20.分析:脇役なんていない

群衆、脇役の分析。ほとんどの人が注目しない、でも必要不可欠な要素です。

手間をかけすぎず、手を抜くこともない製作法が面白いです。同じ動きをしているキャラクターが同画面上には1組もいないなんて!

そういった努力がリアルな世界を生み出すんですね。

あとがき

長い記事になってしまいましたが、本作は1話が短く取り上げられている社員さんも個性的で作品自体はあっという間に見てしまいました。

今後はピクサー映画を観るときの目の付け所が今までとはちょっと変わるかも?