ピクサー短編作品「ニック・ナック」の紹介と感想です。
色っぽいお姉さんに翻弄される男(?)の物語…。
基本情報
原題「Knick Knack」1989 3分
Directed/Written (監督/脚本) by Alvy Ray Smith
Character Design and Animation(キャラクターデザインとアニメーション) John Lasseter
ピクサーアニメーションスタジオ作品
あらすじ
スノードームの中の雪だるま人形ニックは、マイアミのお土産品であるセクシーなビーチ―ガール人形、サニーマイアミの誘惑を受けてスノードームを出ることを決意。
あらゆる手を使ってドームを出ようとしますが…。
どんな作品?
ピクサーアニメーションスタジオによって製作されたコンピューターアニメーション。
ピクサーの短編映画5作品目。「トイ・ストーリー」の6年前に制作された作品。
2003年に再編集され「ファインディング・ニモ」と同時上映された。
引用元:DisneyWiki
感想(ネタバレ注意)
作品の雰囲気はだいぶ明るくなった
1作目から順に見ていて感じるのは、音楽や色使い・光や色合いがとても明るくなったなということ。
まず背景の壁紙が派手だもの!
今までは実験的だったりアート色を強めに感じていましたが、本作では子供から大人まで広く親しみやすい作品を意識しているのかなと思ったり。
質感はぺったりとしていて、リアルさよりアニメっぽさが強くなっています。
音楽も最低限の使い方ではなく、陽気な音楽が最初から最後までフラットに。暗くなったり悲しくなるような場面はひとつもありません。
お色気たっぷりのお姉さんに翻弄される男が主人公という設定は、今となっては時代を感じます。
カートゥーンを想起させる何でもありのドタバタ劇
面白いところはやっぱり雪だるまニックの奮闘です。不満顔が多めですが、それでもカワイイ!
自分のとがった鼻でガラスに穴をあけようとしてみたり、どこからか工事道具や爆薬を持ち出してみたり。
さらにスノードームの床部分にはなぜか非常用脱出口がある!
こういった現実離れした設定にカートゥーンらしさを感じました。
例えば次作のトイ・ストーリーだと、都合の良いアイテムが突然湧き出したりしないですものね。ピクサーは多くの作品でファンタジーを現実にうまく混ぜ合わせているので、こういったいかにもアニメらしい設定は今考えると珍しいかも?
それとは関係ありませんがラストの二段落ちは何度見ても大満足!
本作から他作品へ、カメオ出演多数
色々なお土産品のキャラクターが登場する本作は、他の作品にもよく登場しているようです。
「カールじいさんの空飛ぶ家」でカールがエリーのために旅行券を買っているときに置いてあるパンフレットにいるのがサニーマイアミ(女の子)、ニック(雪だるま)は「カーズ」のリジーの店、「ファインディング・ニモ」にはサニーアトランティス(人魚)が水槽の中の船首像として登場しているらしいのですが、私はマイアミしか見つけたことがないです…。
他の初期短編と同様トイストーリーシリーズなどにも登場しているので、気になる方は是非探してみてください。