「ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船」〜若き日のフックと妖精船長

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季節の四部作が終わり、新しく作られた作品。
ネバーランドの海賊船ということは、もちろんあの人が登場です!

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基本情報

原題は「The Pirate Fairy」。2014年4月1日発売(日本では2014年5月21日)。

ディズニートゥーンスタジオ制作の3DCG映画。劇場公開なし。ティンカー・ベルシリーズ(ディズニー・フェアリーシリーズ)第6作目(映画のみだと5作目)。前作は「ティンカー・ベルと輝く羽の秘密」、次作は「ティンカー・ベルと流れ星の伝説」。

監督はペギー・ホームズ(「リトル・マーメイドⅢ はじまりの物語」「ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船」の監督)。

あらすじ

妖精の粉(※1)の番人であるザリーナはティンカー・ベルのように好奇心旺盛。ある日、禁止されていた妖精の粉の研究をしてトラブルを起こしたザリーナは仕事をなくしてピクシー・ホロウを去ることに…。

その1年後、ピクシー・ホロウで開催されたフォーシーズンズフェスティバルに現れたザリーナ。フェスティバルを楽しむ妖精たちを皆眠らせると貴重な青い妖精の粉(※2)を盗んでしまいます。
難を逃れたティンクと仲間たちがザリーナを追いかけると、ザリーナが人間の海賊船の船長になっていたことが判明。
ザリーナはピクシー・ホロウで居場所をなくした後、自分の才能を認めてくれるジェームズをはじめとした海賊たちの中に居場所を見つけていたのでした。

ティンクたちが青い妖精の粉を取り返そうとしたとき、ザリーナに特別な妖精の粉をかけられて仲間たちはそれぞれの才能を取り替えられてしまいます。
慣れない能力に苦戦しながらも海賊船を追いかけるティンクたち。
一方、海賊たちの元で研究を続けていたザリーナは独自に育てていた妖精の粉の木に盗んだ青い妖精の粉を使うことで、木を完成させますが…。

※1 妖精の粉:ピクシー・ホロウに1つしかない妖精の粉の木から湧き出す金色の粉で、妖精が空を飛ぶのに必要なもの。粉を振りかければ物でも人でも空に浮かぶことができる。
※2 青い妖精の粉:妖精の粉の木の生命力の源となる貴重な粉。これがないと妖精の粉の木が弱り、妖精の粉を生み出せなくなるため妖精が飛べなくなる。妖精にとって死活問題。詳細は2作目の「ティンカー・ベルと月の石」参照。

ティンカー・ベルシリーズ第2作目「ティンカー・ベルと月の石」の紹介。親友テレンスと喧嘩してしまったティンカー・ベルは誰にも言えない失敗を一人で取り戻そうと旅に出ます。素直に「ごめん」という大切さと難しさを感じる物語。

どんな人にオススメ?

  • フック船長の過去を知りたい方
  • ティンクだけでなく、フェアリーズのファン

キャラクターピックアップ

ザリーナ

粉の番人の妖精である女の子。普段自分が扱っている妖精の粉への探究心が強く、独自に研究をしている。
ピクシー・ホロウを去った1年後、海賊の船長になっていた。粉の妖精の頃よりもワイルドな見た目のこちらの方がよく似合ってる。海賊になってからアイシャドウ(アイライン)をひいているところにジャック・スパロウっぽさを感じなくもない。

ティンカー・ベル

ものづくりの妖精で愛称はティンク。いつもはいさめられる側だけど、本作は無茶するザリーナをいさめる側というところがちょっと新鮮。
途中から水の妖精の才能になり、ものづくり的発想でピンチを切り抜ける役はヴィディアにとられてしまう。

ジェームズ

ザリーナが船長を務める海賊船の給仕係。
人間だけど妖精の言葉を理解することができるため、ザリーナと他の海賊たちの間で通訳をしたりザリーナの手伝いをしている。
イートン校出身のエリート。

ワニ

卵からかえったときに初めて見たロゼッタのことを親だと思い込む。慣れない生き物相手に困惑気味だったロゼッタを最終的にはメロメロにさせる働きぶり。
もちろん後の「ピーター・パン」に登場するワニの幼少期です。

私の注目ポイント

新鮮!妖精たちが才能の取り替えっこ

妖精の粉といえば空を飛ぶためのものだったけど、本作ではザリーナの研究により色々な働きを持つ新しい色の粉が誕生。
そのうちのひとつをかけられたことでティンクとその友達の才能がごちゃごちゃに入れ替わってしまいます。

初めての事態に慌てる妖精たち。それでも憧れの技を試したり、もとの才能の持ち主がその腕を褒めたりとなんだかんだで楽しそう。

またものづくりの才能を持ったヴィディアが発想を生かし活躍したことで、アイデアがわくということがすでにものづくりの妖精の才能だったと分かり興味深かったです。

↓誰がどの才能になったかを載せておきます。

  • ティンク:ものづくり→水
  • シルバーミスト:水→風
  • フォーン:動物→光
  • イリデッサ:光→植物
  • ロゼッタ:植物→動物
  • ヴィディア:風→ものづくり

素晴らしくもあり危険でもある“妖精の粉の錬金術”

妖精が空を飛ぶのに必要な金色の妖精の粉。これに興味を持ち研究を重ねて様々な性質を持つ妖精の粉の生成に成功したザリーナの好奇心と知識にはただ感心するばかりです。

しかしとにかく強い力、不思議なエネルギーを持っている妖精の粉に対し好奇心で手を加えるのは危険なことでもあり、これを行ったザリーナは事実上の追放へ。

子供向けアニメでは普段良いこと、素敵なこととして描かれる好奇心や探究心、知識について本作ではシビアな面も描かれているんだなというのが印象的でした。

使いようによってはピクシー・ホロウを滅ぼすこともできそうなザリーナによる“妖精の粉の錬金術”。色々な側面から考えさせられます。

…ところで妖精の粉がなければ飛べないということは、意外と妖精と人間って変わらないんですね。羽が破けても粉をかけたら飛べるのかな?

若かりし日のフック船長

今や人気ヴィラン(悪役)のひとり、「ピーター・パン」のフック船長。
すぐに分かりますが、ザリーナの下で働くいかにも爽やかな好青年海賊のジェームズが後のフック船長です。

まだ手が鉤爪じゃないけど、終盤は手に鉤爪を持ち戦います。
あとは、もともとカチコチと鳴る時計の音が嫌いだったみたい。
そんな「ピーター・パン」の時のフック船長との共通点がいくつか出てくるのでご注目ください!

好青年ジェームズがザリーナかティンクあたりとすれ違い、悲劇が起こって意地悪な性格に変わってしまうのかな〜なんて思っていたけど…実際は見てのお楽しみ。私の予想よりもずっと良かったです。

それにしてもフック船長、イートン校(紳士を育成するエリート校)出身というのがポイント高いですよね。

この映画が好きな人へのおすすめ作品

  • パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ(海賊もので、強い女性海賊も登場)
  • ピーター・パン(本作の後の話。フック船長やワニの変わらぬ様子を見ることができる)
  • トレジャー・プラネット(宇宙海賊の話。こちらもかっこいい女性船長)