伝説の始まりといえる作品。
今や最強タッグのウッディとバズ、しかし出会いは印象最悪?夢のある設定とリアルなおもちゃたちの心の動きに引き込まれる名作です。
Contents
基本情報
原題は「Toy Story」。1995年11月22日公開(日本では1996年3月23日)。
ピクサー・アニメーション・スタジオ制作の長編CGアニメーション第1作目。フルCG長編アニメーション映画(劇場公開作品として?)はこの作品が世界初。
続編として「トイ・ストーリー2」「トイ・ストーリー3」「トイ・ストーリー4」があり、他にも短編作品がいくつかある。
監督はジョン・ラセター(「バグズライフ」「カーズ」などの監督。他多数のディズニー映画の製作総指揮を務める)。
第68回アカデミー賞(1996)では脚本賞、歌曲賞(「君はともだち」)、ミュージカル・喜劇映画音楽賞にノミネート。ジョン・ラセターがアカデミー特別業績賞を受賞。
あらすじ
カウボーイ人形のウッディ(声:トム・ハンクス/唐沢寿明)は、アンディの一番のお気に入り。ところが、アンディの誕生日に最新式のスペース・レンジャー、バズ・ライトイヤー(声:ティム・アレン/所ジョージ)が現れて、ウッディの主役の座が奪われそうに。張り合うウッディとバズは、ひょんなことからオモチャいじめが趣味の少年シドに捕まってしまい、大ピンチ!脱出作戦で力を合わせて頑張るうちに、やがて“友情の絆”が芽生えていく、大人から子供まで楽しめる究極のエンターテイメント作品です。
公式ブルーレイ&デジタル作品紹介
登場人物
※ストーリーの核心には触れないようにしていますが、ネタバレになり得る情報が含まれています。ご注意ください。
ウッディ
背中のひもを引っ張ると数パターンのセリフを話すカウボーイ人形。ずっとアンディのお気に入りだったがバズが現れたことでそのポジションを取られてしまう。
おそらく古株であり、お気に入りおもちゃとして他のおもちゃたちを統率。リーダーシップが有り知恵も働く。
ある意味主人公らしからぬ性格と、長い手足を持て余すような動きが面白くて見ていて飽きない。
バズ・ライトイヤー
アンディが引っ越し前の誕生日パーティーでプレゼントされた最新型のおもちゃ。
設定は宇宙の平和を守る戦士スペースレンジャーで、敵は悪の帝王ザーグ。
自分を子供が遊ぶためのおもちゃだとは認識しておらず、本当にスペースレンジャーだと思っていることが事態をややこしくしている。
アンディが遊んでいるときには動いたりしないが、ウッディたちと比べると人間にバレないようにしようという意識が薄い。新しいおもちゃがみんな自分をおもちゃと知らないなら世界各地でおもちゃが動けることがバレそうなので、バズが特殊?
アンディ
おもちゃ好きな少年でウッディたちの持ち主。ずっとウッディが一番のお気に入りだったが、誕生日にバズをもらって夢中になる。
お気に入りのおもちゃには油性マジックで名前を書くので、アンディのサインがおもちゃたちの憧れとなっている。
シド
アンディの隣人である少年。悪ガキで、おもちゃを分解したり吹き飛ばしたりと遊び方が乱暴なのでおもちゃたちから恐れられている。
アンディより少し歳上くらいに見えるけど、誕生日パーティーにもいなかったようだし友達ではなさそう。ママには弱く、クレーンゲームがやたらと上手い。
その他の登場人物(おもちゃたち)
- ミスター・ポテトヘッド…ポテト型でパーツを自由に差し替えられるおもちゃ。嫌味っぽい言動とパーツを活用した面白芸が人気。
- スリンキー・ドッグ…胴体がバネになっているダックスフンドのおもちゃ。ウッディとの絆が強く最後まで信じようとしてくれるので、彼に見捨てられたら一巻の終わりなのではとドキドキする。
- レックス…緑色の恐竜のおもちゃ。おもちゃたちの中では大きい方で強そうな見た目だけど、性格は気弱で心配性?
- ボー・ピープ…羊飼いの女性の人形。他のおもちゃと同じく新しい仲間のバズに興味を惹かれるが、ウッディやアンディのこともずっと気にかけている。
- ハム…豚の貯金箱(おもちゃ…?)。アンディはお金も入れているし、おもちゃとしても遊んでいる。皮肉屋。
- グリーン・アーミー・メン…小さな緑色の軍隊人形たち。偵察が得意。
- RC…緑色のラジコンカー。その特性から、アクションシーンに巻き込まれがち。目が大きくて可愛い。
- エイリアン(リトル・グリーン・メン)…宇宙船型クレーンゲームの景品である3つ目で黄緑色の宇宙人のぬいぐるみ。彼らの運命を握るクレーン(キャッチャー部分)を“カミサマ”と呼んでいる。
- 他多数!
その他の登場人物(おもちゃ以外)
- アンディのママ…本作では子供たちのお世話はもちろん、引越しの準備、誕生日パーティーとすごく忙しそう。ラストの車でのセリフが親あるあるな感じで好き。
- モリー…アンディの妹。まだ赤ちゃんなのでおもちゃの扱い方は知らない。
- スカッド…シドの家の飼い犬。白い体に黒の斑点模様のブルテリア。乱暴な悪い犬に見えるけど、よく考えたら動いたり音を出すものを追いかけたりぬいぐるみを噛むのも犬ならわりと普通のこと?
- ハンナ…シドの妹。お人形遊びが好きなのでシドによるいじわるの格好の的。
注目ポイント
ストーリーの核心には触れないようにしていますが、ネタバレになり得る情報が含まれています。ご注意ください。
おもちゃの世界はファンタジーだけどシビア
実はおもちゃが生きていて、人間がいない時には動いたり話したり自由に過ごしているというファンタジーな設定の本作。
しかしおもちゃたちは持ち主の子供が新しいおもちゃをプレゼントされて自分への興味を失い、果てはお払い箱になってしまうことに戦々恐々としています。
このファンタジーすぎずどこかシビアな世界観がピクサー映画の魅力。初めて見る世界観、今まで見たことがない設定でもすぐにキャラクターたちをリアルに感じることができます。
ちなみに「トイ・ストーリー」シリーズを見ると必ずと言っていいほど自分の子供の頃のおもちゃの扱いを振り返ることになるので、乱暴したり粗雑に扱った記憶がある方は胸が痛むご覚悟を…!
人間より人間味のある?おもちゃたち
前項にも共通する部分がありますが、私が感じるこの作品の魅力は人間より人間味のあるかもしれないおもちゃたち。
バズに嫉妬するウッディは下手したらヴィランになりかねないし、中盤の1シーンでのバズの心情は計り知れませんがたしかに正気ではいられなさそう。
他のおもちゃたちも皮肉屋だったり流されやすかったりとみんな完璧じゃない部分があって、そこがなんとも愛しい!
普通のアニメ映画はキャラクターの性格や関係性が白黒はっきりとしていることが多いので、根はいいやつだけどひどい嫉妬もしてしまう、とか嫌いじゃないけど信頼はしきれない、とかの割り切れない部分が人間味を感じさせるのかな。
続編からはウッディがどんどん仲間思いの主人公らしい主人公になりおもちゃ同士の信頼も高まっていくという楽しさがありますが、この不完全さ・人間っぽさが一番味わえるのは本作です。
ハラハラドキドキの脱出劇
本作のメインストーリーは家の外に出てしまったウッディとバズがアンディの元へ帰るというもの。
行動範囲はそこまで広くなさそうなのですが、何しろ主人公たちが小さいので車移動だけで大冒険!何度ヒョイっと持ち上げて連れて行ってあげたいと思ったことか…。
そして“人間には動いているところを見られてはいけない”という縛りがさらにハラハラドキドキを生み出します。
序盤でのグリーン・アーミー・メンたちによる偵察シーン、ピザ・プラネット、シドの家からの脱出など、何度もやってくるこういったシーンには毎回手に汗握ります!
あとがき
子供の頃から何度も観ている作品です。やっぱり1は自分がアンディくらいの歳の時に夢中で観ていたこともあり、思い出深いですね。
改めてどういったところが好きか、人にどの点を勧めたいか、を考えるとなかなか難しい…!うまく伝えられないのがもどかしいです。
子供の頃はおもちゃたちの信頼を失ったウッディを見るのが辛過ぎて(窓越しにシドの家から話しかけているシーンやラスト付近)苦手だったのに、この映画自体は大好きなので葛藤しながら何度も観ていた思い出があります。
そして3を観てからは本作のオープニングシーンで泣きそうになるという新たな楽しみ方(?)も出来るようになりました。
どの世代にも、性別などにも関わらずオススメしたい映画です!