今回はこの時期に相応しいクリスマス映画「ミッキーのクリスマスの贈りもの」(原題:Mickey’s Once Upon a Christmas)の感想です。
劇場公開用ではなくビデオ販売用に作られた本作は、ドナルドたち、グーフィーたち、ミッキーたちによる3つのお話によって構成されています。
それぞれがクリスマスらしい心温まるお話なので、子供たちはもちろんほっこりしたい大人の方にもオススメです♪
Contents
あらすじ
クリスマスツリーの下に3つのプレゼントが置いてあります。ヨット(ボート)のおもちゃ、テディベア、プレゼントを載せたソリのおもちゃ。それぞれに特別な思いが込められています。
本作はこのプレゼントを通して物語をみていきます。
1.ドナルドのクリスマスは大変だ!
1つ目のプレゼントであるヨット(ボート)は、ドナルドの甥っ子、ヒューイ、デューイ、ルーイが主役のお話です。
待ちに待ったクリスマスの朝。
3人の子供たちは飛び起きるとすぐにプレゼントに夢中になり、プレゼントをくれたドナルドや訪ねてきたデイジーたちへのあいさつもそこそこに一日中おもちゃで遊びつくします。
しかし、それでも遊び足りない3人は眠る前に「毎日がクリスマスでありますように」と星に願いました。
すると翌朝願いが叶い、昨日と全く同じ朝がやってきたのです!
最初はただただ喜びクリスマスを堪能する3人でしたが、何度も何度も同じことを繰り返す日々にうんざり。
そこである日、楽しく過ごそうとたくさんのいたずらを仕掛けることにしたのですが、おかげでクリスマスはめちゃくちゃになってしまい…。
2.グーフィーとマックスのサンタを探せ!
2つ目のプレゼントであるテディベアは、グーフィーと息子のマックスが主役のお話です。
郵便屋さんの車を追いかけ、サンタ宛の手紙をどうにか間に合わせたグーフィーとマックス。
特にマックスはサンタにスノーボードがほしいことを伝えることができて大喜び!
しかし隣人のピートからサンタなんかいないと言われ、マックスはサンタの存在に疑問を感じ不安になってしまいます。
そして迎えたイブの夜、煙突から姿を表したサンタクロースを見て誰よりも目を輝かせはしゃぐマックス。
ところが、その正体が子供たちを喜ばせるため変装したグーフィーだったことが分かり…。
3.ミッキーとミニーの賢者の贈り物
3つ目のプレゼントであるソリは、ミッキーとミニーが主役のお話です。
クリスマスイブの朝、ミッキーは宝物のハーモニカを吹きながらプルートと一緒にミニーの家へ向かいます。
プレゼントにはミニーが大切にしている時計を首からかけられるように、時計用のチェーンを買うつもりです。しかし、お金が足りないので今日一日一生懸命働いてお金を貯めなければいけません。
そして、ツリーを届けてくれたミッキーに朝食をふるまうミニー。彼女もまたミッキーへのプレゼントを買うお金が足りず、ボーナスをもらうために今日もデパートで一生懸命働きます。
ところが、結局どちらも仕事ではプレゼントを買えるだけのお金を手に入れることができませんでした。
それぞれ途方に暮れるミッキーとミニー。
刻一刻とチェーンを売っているお店の閉店の時間が近づく中、自分の手の中のハーモニカを見たミッキーはあることを思いつき…。
感想
※ネタバレとなる情報が含まれていますのでご注意ください。
ドナルドのクリスマスは大変だ!
クリスマス作品だけど、いつもの短編映画のようなガチャガチャと騒がしい雰囲気を維持している(褒め言葉)ドナルドとその甥っ子たち。
私なんて完全に反省前の甥っ子たちみたいな子供だったので、この作品を子供の頃に観ていたら何かが変わっていたかもしれない(し、変わっていないかもしれない)なんて思ってしまいました。
物語の後半、いつも怒鳴ったり暴れたりのドナルドがあそこまで落ち込んだ様子だと、さすがの子供たちも「やばい…」と思うようですね。私もあのシーンが一番胸が痛みました。(ドナルドやデイジーの気持ちも、甥っ子たちのいたたまれない気持ちも、分かるような気がするから)
あとはやっぱり、子供たちからドナルドへのサプライズがあるところも良いですよね。ドナルドが子供みたいに遊ぶところも含めて好きです。冒頭のシーンが効いてきます。
ところでドナルドの家系に詳しくない私は本編の間中ずっと「ガーティおばさんって一体誰なんだ…」と思っていたのですが、彼女はラストで完全に私の気持ちを代弁。その存在意義は最後に分かりました。
序盤で子供たちだけが家族団らんをあからさまにないがしろにしているので結末はすぐに予想できますが、分かってても何回でも観られるのは甥っ子たちの可愛らしさとドナルドがいつものように体を張って笑いを作っているところにあるのかな?と、ドナルド贔屓の私は思うのでした。
グーフィーとマックスのサンタを探せ!
他の方の感想をさーっとみたところ、一番人気だったのがこのグーフィーとマックスのお話。
まだ小さい頃のマックス、なんてかわいいのでしょう!吹き替えで観たのですが声も抜群に愛らしいし、本編後の歌声も良かったです。
序盤のショッピングモールはただただ楽しいグーフィーの見せ場。おもちゃ屋でのアクションも好き。途中出てきた派手な帽子のおばさんもお気に入りです。
マックスが望んでいるスノーボードのスペックは何回聞いても覚えられず、本物のサンタが持ってきてくれて心底良かったです。(グーフィーが用意できるとは思えない)
隣人のピートはほんとに悪いやつで相変わらずいい味出してるキャラクターでした。毛色が普段より薄いのが気になる。誰かが「ピートは悪い子だったからサンタが来たことがなく、だからサンタを信じていない(のではないか)」と言っていて目からうろこ!なるほどね~と納得でした。
マックスが拗ねて落ち込んだようにグーフィーも落ち込んだり、それぞれがそれぞれを励まそうとしたり、親子というより兄弟みたいなこの2人はセットでなんとも愛らしい。この話をみんなが気にいる理由も分かります。
後半に出てきたテディベアはマックスのエピソードに度々登場する重要アイテムらしいので、今後マックス登場作品を見るのが楽しみです♪
しかし、グーフィーの「壊れた時計だって日に二、三度は正しい時間を指す」は名言だと思う。好き。
ミッキーとミニーの賢者の贈り物
3つ目は有名なお話「賢者の贈りもの」のミッキー版です。
3作品のなかで、私が一番泣きそうになるのは実はこのお話。最後の3分だけ見せられてもうるっとくる自信があります。
ちなみにミッキーとミニーが終始仲良しすぎるので、独り身のクリスマスに観るのはオススメできません…!
作画が崩れがちですが私のお気に入りのフィガロが出ているところも、ピートやモーティマーがいい”嫌な奴”っぷりなところも嬉しい。少しだけ出てくる青い目のデイジーもかわいいし、チャリティーコンサートには様々なキャラクターが一瞬映ります。
チャリティーコンサートはもっと派手でも良かったかな?と思うのですが、それだと物語から浮いちゃうのかな。全体的に地味なお話なので、プルートの存在に助けられている感じ。
私のお気に入りシーンはたくさんのチップをもらうきっかけとなったミッキーの「気をつけまーす」という返事の適当加減。2回聞きましたがやっぱりちょっと気が抜けた感じで面白いです。
あとはやっぱり、最後にミッキーがミニーに言った「僕には君が音楽だから」というセリフのあまりのイケメン具合でしょうか。忘れられません。
あとがき
相手を思いやる気持ちの大切さを色んな形で教えてくれるような映画でした。心がすさんでいるときに見ると自分が恥ずかしくなりそう。
子供はヒューイ、デューイ、ルーイやマックス、恋人や夫婦はミッキーやミニー、子供を持つ親はグーフィーと自分を重ねて、「大切な人に優しくしなきゃな」と思えるのではないかと思います。
というとなんだか教訓めいた映画のようですが、あらすじで省略している部分にディズニーらしいギャグやドタバタ、面白いシーンがてんこ盛りなのでただただ楽しむことができるのもすごいところ♪
ホーレスやクララベル、チップとデールなど昔からおなじみのキャラクターがいたるところに出現する、実は出演者が豪華なところも素敵な作品です。
↓ミッキーの表情やちょっとしたギャグシーンなど細かい部分のベースはやっぱり昔の短編映画!