「メロディ・タイム」のすすめ

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ある年代の数作品だけやたら情報が少なく探すのに苦労するのですが、この「メロディ・タイム」もその中のひとつ。

それが現在ディズニーデラックスで配信されていたので、さっそく視聴しました♪(2019年6月時点)

­動画配信サービスありがたや…。

2019年3月26日にサービスを開始したディズニー動画配信サービス「Disney DELUXE」(ディズニーデラックス)に入会した感想です。一例としてご参考までに。今後のラインナップや機能充実に期待!
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基本情報

原題は「Melody time」。1948年5月27日公開(日本では1987年1月25日)。

ディズニー長編アニメーション映画第10作目。7つの独立したアニメ作品からなるオムニバス映画。

監督はクライド・ジェロニミハミルトン・ラスクウィルフレッド・ジャクソン(3人の共同監督作品として「シンデレラ」「ピーター・パン」など)、ジャック・キニー(「ピノキオ」「ダンボ」の演出など)。

各作品のあらすじと紹介

冬の出来事 Once upon a wintertime

雪の中ソリに乗っている1組のカップル(ジョーとジェニー)。2人はソリを降りると氷が張った水辺でスケートを始めます。
ケンカさえ微笑ましい2人でしたが、いつの間にか彼女が氷の薄い危険なエリアに入ってしまい…。

物語の前後に歌詞付きの音楽が流れますが、音楽がメインという感じでもないかな?キャラクターが多くストーリーも分かりやすい、楽しい作品です。

「冬の出来事」より、スケートをするカップル
映画「メロディ・タイム」より

一緒にデートを楽しんだり助けてくれる動物たちもみんなもれなく2匹(羽)1組で登場している、ひたすら愛らしいアニメーション。「ミッキーのアイススケート」を思い出しました。

それにしてもこのキャラクターたちの雰囲気、どこかで見たような…と思って調べたら、メアリー・ブレアの絵ですね!

クマンバチ・ブギ Bumble Boogie

リズムに追いかけられるように飛び回る小さな1匹の蜂。リズムはピアノの鍵盤や五線譜など様々な姿に変わりながら蜂を追い詰めます。果たして小さな蜂の運命は?

歌詞なしセリフなしの音楽をメインとした映像作品。どこか「不思議の国のアリス」のような色合いと世界観を感じます。
曲は「クマンバチの飛行」をフレディ・マーチンがジャズアレンジした「バンブル・ブギー」。

「クマンバチ・ブギ」より音符から逃げる蜂。
映画「メロディ・タイム」より

私は­綿毛が散るシーンが好きです。閉じ込められて檻を揺さぶるシーンなどではドナルドの短編映画でお馴染み”ハチのスパイク”を思い出しました。

リンゴ作りのジョニー The old settler Johnny Appleseed and Johnny’s angel

アメリカの民話のひとつである、実在した英雄ジョニー・アップルシード(ジョン・チャップマン)のお話。

リンゴを育てて暮らしていたジョニーは開拓者に憧れ、天使の助言もあって西を目指します。彼の持ち物は鍋の帽子とりんごの種を入れた袋、そして聖書です。

たどり着いた森のなかでリンゴを育てることにしたジョニー。最初は警戒していた森の動物達も銃や武器を持たないジョニーとすぐに仲良くなります。こうしてジョニーは各地でリンゴを育てるとともに、信仰と勇気、そして愛の種もまいていったのです。

挿入歌、セリフ、ナレーションがあるミュージカル短編アニメーション。
ジョニーの友達のひとりとしてデール(それともチップ?)にそっくりなリスも登場します。

「リンゴ作りのジョニー」より、リンゴを見つめるジョニー。
映画「メロディ・タイム」より

動物がたくさん登場し、最後の瞬間まで幸せに溢れていて、いかにもディズニーらしい作品という感じ。天使に導かれるジョニーが「ピノキオ」に見えました。

小さな引き船 Little Toot

リトル・トゥートはいたずら好きの小さなタグボート。いつか父のように大きな船を引くことが夢です。

ある日トゥートはいい子になるため父の仕事を手伝おうとしますが、それが原因で大きな事故に。罰として町から離され暗い海を一人で漂っていたトゥートは嵐の中で大きな遭難船を発見します。

メイン音楽の歌詞がナレーションとなっていてストーリーも分かりやすい、親しみやすい作品です。

「小さな引き船」よりパパのそばで紙の船を引くリトル・トゥート。
映画「メロディ・タイム」より

トゥートを見ていると「青い自動車」のスージーや「小さな郵便飛行機ペドロ」のペドロを思い出しました。嵐の迫力がストーリーを盛り上げます。

丘の上の一本の木 Trees

木を題材にした詩に、メロディと温かみのある映像を加えた作品。丘の上に立つ1本の大きな木を中心にして生き物たちや季節などの自然を描きます。

美しい詩の世界を穏やかなメロディと美しい映像で味わうための作品です。

「丘の上の一本の木」より、後光がさす木。
映画「メロディ・タイム」より

この作品を観ているとなんだか厳かな気持ちになります。雨上がりの水滴がとても綺麗。

サンバは楽し Blame it on the Samba

文字通りブルーになり背中を丸めて歩くドナルドとホセ。そこへアラクアンが登場して楽しいサンバを聴かせると、2人はたちまち色を取り戻し陽気に踊りだします。

女性オルガン奏者エセル・スミス(実写)の演奏に合わせて楽しそうに踊るドナルドたちとアラクアンによる不思議な世界が癖になる、セリフなし(歌詞あり)の音楽作品。

「サンバは楽し」よりエセル・スミスの演奏に合わせて踊るドナルドとホセ、いたずらをするアラクアン。
映画「メロディ・タイム」より

短編映画としてこの作品だけ子供の頃からよく観ていました。アニメのキャラクターが実写の人物と共演する作品は夢があって大好きです。サンバのリズムと楽しそうなドナルドたちを観ているとこっちまで踊りだしたくなる!

青い月影 Pecos Bill

カウボーイたちが語り継いできた物語。誰よりタフで破天荒なカウボーイのペコス・ビルとその馬ウィドー・メーカー、そして美しい娘スルーフット・スーのお話です。

幼い頃に馬車から転がり落ちてしまったビルは母コヨーテによって他のコヨーテたちと一緒に育てられました。そしてハゲタカに襲われていた子馬を助けて相棒にします。

大人になりカウボーイとして大活躍だったペコス・ビルは美しい娘スルーフット・スーに出会い恋に落ちました。しかし2人の結婚式でスーがビルの相棒である暴れ馬、ウィドー・メーカーに乗ると…。

実写パートのカウボーイたちがペコス・ビルの伝説を子供に歌で語って聞かせている、というシチュエーションで展開していく短編アニメ作品。

「青い月影」より主人公のカウボーイ、ペコス・ビルと、その相棒の馬ウィドー・メーカー。
映画「メロディ・タイム」より

ビルの逸話ひとつひとつが奇想天外で面白いです。それにしてもヒロインのスーが強烈なキャラクターでびっくり!とっても美人なのにお転婆な彼女はオオナマズに乗ってパンツ丸見えで登場し、思いもよらない結末を迎えていきました。

ちなみに「リンゴ作りのジョニー」は実在した人物でしたが、ペコス・ビルはフィクションだそうです。

注目ポイント

ライト版ファンタジア

本作を知らなくても「ファンタジア」なら知っているという方が多いのではないでしょうか。「ファンタジア」はミッキーが出演している「魔法使いの弟子」を含む、音楽をメインとしたオムニバス映画です。

この「ファンタジア」はクラシック音楽にアニメーション映像を合わせたものなので全ての短編に歌詞・セリフがなく、ストーリーもあったりなかったりでちょっと馴染みにくい部分があります。

しかし本作は歌詞でストーリーを語るような作品も多く、音楽作品というよりはもう普通にアニメとして観てしまっていてキャラクターのセリフがないことに気が付かないほど。「ファンタジア」よりもさらに親しみやすく、音楽と映像を一緒に楽しめる作品だと思います。まさにライト版。

­(”ディズニーの本気”を観たいのであれば、やっぱり「ファンタジア」がオススメです。)

ディズニーランドに関係する作品も?

東京ディズニーランドにある、ショーが楽しめる人気のレストラン「ザ・ダイヤモンドホースシュー」の女主人スルー・フット・スー。そしてチュロスなどを販売しているペコスビル・カフェというお店。

そう、これらは本作の最後の作品「青い月影」の登場人物と同じ名前なのです。

とはいえ、青い月影から引用したわけではなくどうやらどちらも同じ物語をモチーフにしているだけということみたい。公式にも”カウボーイ、ペコスビルにちなんだお店”とありますが、メロディ・タイムや青い月影については特に書かれていませんでした。

それでもペコスビルやスルー・フット・スーがどういう人物だったのかをこの映画で知ることで2つのお店により愛着が湧くというか、親しみを持てるというか、とにかく今までよりちょっと特別に感じられるのは間違いありません。

ドナルドファンなら見逃せない

実は長編映画も短編映画もあのミッキーより出演作品が多いのがドナルド。ドナルドのファンで映画「ラテン・アメリカの旅」や「三人の騎士」をチェック済みの方は、是非本作もチェックを!

パンチートは不在ですが、ホセやアラクアンが登場する短編作品「サンバは楽し」はこのシリーズのひとつと言えるでしょう。なによりこの鳥たちの可愛らしさよ。

映画を見れば見るほど、パークで彼らに出会えたときの喜びも倍増です!

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アメリカの民話に親しもう

7作品のうち、20分前後と見ごたえがある作品が「リンゴ作りのジョニー」と「青い月影」の2作品です。

どちらもアメリカの有名な(ですよね?)伝説・民話のようですが、私はこの映画を観るまでどちらも知りませんでした。

こういった今まで知らなかった物語や文化などを知るのも、子供から大人まで楽しめるアニメーション作品を見る楽しみの一つかなと思います。

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あとがき

なかなかお目にかかることが出来なかった作品なので、見ることが出来て本当によかった!

古い作品であることや音楽に重点を置いていることから万人にうけるタイプの映画ではないかもしれませんが、ドナルドファンを始めディズニーファンなら1回は観ておきたい作品です♪

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