一度観たきりで内容を忘れかけてしまっていたアトランティスを鑑賞。探検隊による海底の遺跡探索など、ロマンを感じないはずがない!なんだか以前より楽しめました。
登場人物の性格や会話がアニメっぽくないなという印象。絵はコミック風、雰囲気としては実写映画みたいだなと思います。
Contents
基本情報
原題は「Atlantis: The Lost Empire」。2001年6月15日公開(日本では2001年12月8日)。
ディズニーアニメーション映画第41作目。題材はジュール・ヴェルヌの「海底二万里」 。
監督はゲイリー・トゥルースデイル、カーク・ワイズ(2人による監督作品は他に「ノートルダムの鐘」「美女と野獣(1991年/アニメ)」)。
続編は「アトランティス 帝国最後の謎」。(劇場公開なし)
あらすじ
マイロ・サッチは若き地図製作者であり、才能溢れる言語学者だ。マイロの夢は、太古の昔に海底深くに沈んだと言われる伝説の《アトランティス》を発見すること―それは亡き祖父の夢でもあった。マイロは、謎を解く鍵を握るという伝説の《羊飼いの日誌》を探していたが、考古学会は日誌の存在を信じようとはしない。孤立したマイロの前に、ある日、祖父の知人という大富豪ウィットモアが現れる。ウィットモアは《羊飼いの日誌》をマイロに渡し、自分が出資する《アトランティス》探索チームに彼を加える。マイロだけが解読できるアトランティス語で書かれた日誌を手がかりに、遥かなる海底の旅に出る冒険者たち。しかし、苦難の旅の末に姿を現した 《アトランティス》は、探検隊の予想に反して古代の遺跡などではなかった。それは1万年の時を越えてなお生き続ける奇跡の帝国だったのだ。果たして《アトランティス》の生命の源とは?アトランティスの運命を握るプリンセス・キーダ、彼女に隠された秘密とは?そして、探検隊の秘められた目的とは…?
公式ブルーレイ&デジタル 作品紹介
登場人物
※ストーリーの核心には触れないようにしていますが、ネタバレになり得る情報が含まれています。ご注意ください。
マイロ・サッチ
地図製作者であり言語学者のひょろひょろした青年。亡き祖父の夢でもあるアトランティスの発見に強い関心を持っている。
純粋な知的好奇心やロマンに突き動かされている姿がかっこいいと思う。もっとおじいちゃんとの思い出話とかがあれば感情移入しやすかったかもしれないけど、冒険メインの映画なので余計なシーンになってしまうかな。
専門分野以外は何をさせてもまるでダメ、を貫いてほしかった。偶然とはいえ一部オードリーを凌ぐ知識があり、終盤では普通にリーダーシップがありアクションも出来る男に成長してしまったのが少し寂しい。
プリンセス・キーダ
アトランティスの王女。野性的でありながらも品がありミステリアスな魅力を持つ。8800歳くらいらしい。
アトランティスがただ滅びゆくことに危機感を覚え、ここを見つけ出したマイロたちに希望を見出す。
本作ヒロインながら前半ほとんど登場しないのが残念。続編を作る前提で作られていたんだっけ?ぷにぷにした子供キーダがかわいい。
探検隊メンバー
- オードリー…小柄な女性機関室長。クルーの中では常識人っぽくて安心感がある。「チップとデールの大作戦」のガジェットといい、私はこういった技術者の女の子が好き。ところでこの姉妹幸せなのかな…。
- ヴィニー…爆破のプロ。飄々とした男でマイロをよくからかう。「ヘラクレス」のハデスが好きならきっと好き。実家が花屋というギャップもいい。
- ヘルガ…マイロをウィットモアのところへ導いた、色気がありかっこいい大人の女性。掴みどころのないタイプかと思ったけど戦闘能力といい心の揺れといい一番現実感のある人かも。ロークの部下(副隊長?)。
- ローク隊長…この探検隊の隊長。マイロの祖父を知っている様子。冷静な指示に安心感がある。終盤の活躍っぷりが良い。
- モール…地質学者で見た目もモグラのような男。能力含め本作キャラの中で一番アニメ・コミック感がある癖の強さ。掴みどころがなくて困る。
- スウィート…素肌に白衣を着ちゃう、笑顔が可愛いマッチョな軍医。おそらくクルーで一番心優しく気遣いが出来る。
- ミセス・パッカード…皮肉屋な通信士のおばあちゃん。しょっちゅう友達のマージと私用の通話をしているけどどうやら腕はいい。
- クッキー…コック。他の人が皆有能なのにクッキーの料理は全員に嫌がられているというその存在がすでに面白い。陽気なおじいちゃん。
そのほかの人達
- プレストン・ウィットモア…探検隊のスポンサーであるおじいちゃん。マイロの祖父とは親友で、ロマンを愛するタイプ。マイロの旅支度を小気味好いテンポですっ飛ばしてくれる。
- アトランティスの王…アトランティスの王でキーダの父。高齢のためか体が弱っている。国と娘を守りたい一心で探検隊を受け入れない。8000歳を越えるキーダにそろそろ王位を譲ろうかな発言で人間とのスケールの違いを見せつける。
感想
※ストーリーの核心には触れないようにしていますが、ネタバレになり得る情報が含まれています。ご注意ください。
スチームパンク?な世界
蒸気機関のこういうかっこいいメカが出てくるジャンルってなんだっけ…と調べてスチームパンクに行き着いたのですが、正解でしょうか。
大きな潜水艇で海底へ向かうシーンはTDSのアトラクション「海底2万マイル」、海底の空洞(洞窟?)に到着した後は「センター・オブ・ジ・アース」を彷彿とさせます。これらが好きな人はワクワクできると思う。ちなみに私は前者の計器、後者のエレベーターが好き。あれだけでドキドキワクワクします。
アトランティスにある不思議な乗り物も良いですが、私にはこういった人間たちの乗り物の方が魅力的でした。あとは海中の巨大生物もかっこよかった!
CGや効果音など、表現の技術
他作品と比べても効果音がやたらと印象的なのがこの映画の特徴かなと感じます。水の音、ハイドロフォンからの音、石碑にパワーが満ちる音、スチームの音なんかも良いですね。世界観をぐっと強め、没入できます。
CGの使い所も好き。もう20年近く前の映画になるのでもちろん今の技術と比べると劣ると思いますが、丁寧に作られているので気になりません。
こういった感想ってなんだかすごくマニアックな視点のようですが、普通にストーリーを楽しんでいても印象に残りました。
映像で言えば、あとはエンドロールも好き。いつまでも眺めていられそう。
なぜか日本アニメを感じる
この作品を観ていたときに何度か「天空の城ラピュタ」や「もののけ姫」を思い出し、「日本に生まれジブリで育った性かなぁ」なんて考えていました。古代遺跡(古代都市)を描いたアニメといえば私の中でラピュタが偉大すぎて。
そこで同じような人も多いだろうと調べてみたところ、全く違う作品があまりに似ていると問題となっていたことが判明。(有名な話なのでなんとなく聞いたことがあったような気はしますが。)
それが同じ「海底二万里」を題材としている日本のTVアニメ「ふしぎの海のナディア」。私はナディアを観たことがないのでよく分からないのですが、とにかくナディアファンはこの作品であまりいい気分はしないかと思います。
こういった疑惑にはもやもやとしてしまいますが、とにかくナディアがあまりに愛されているので調べるうちにちょっと観たくなりました。
キャラクターの魅力
意図せず敵をアトランティスに招き入れることになってしまったマイロ(そしてマイロに国と娘を託した王も)の心中は計り知れない。「利口なやり方じゃないけど、正しいやり方だ」と敵を追うマイロは主人公然としてかっこいい。
そんなマイロやキーダはまさに主人公タイプの性格ですが、個人的には探検隊メンバーがごく一般的な欲をもった人間なのが魅力的でした。
あるシーンでは探検隊メンバーが極悪非道にみえるけど、そもそも文明が続いていることが想定外だったわけで…。金儲けを完全な悪としないラストも好き。
アメリカの映画らしいウィットに富んだジョークが飛び交い、セリフも多いせいかまるで実写映画を観ているようでした。それもまたリアルで身近に感じられるキャラクターたちの魅力なのかも。
あとがき
ミュージカルでもなく犠牲者も過去最多レベル。いつもとは一味違うディズニー映画でした。
一番実写に近いと思うけど、実写化の波には乗れないんだろうなぁ…。
続編もあるので近い内に視聴して感想を書きたいと思います。