短編映画を観て感想を述べるシリーズ。
前回の記事はこちら
今回はドナルドダックの短編映画、41作目から45作目までです。
ドナルドの短編映画41~45
41.総統の顔
原題:Der Fuehrer’s Face
公開日:1943年1月1日
監督:ジャック・キニー
登場キャラクター
ドナルド、ヒトラーなど
あらすじ
質素な家で寝ていたドナルドは朝5時にたたき起こされ、ろくに食事も食べられないまま工場で働かされます。
ミサイルを製造するラインで休むことなく働くうちに極限の精神状態から幻覚の世界へ。
そんな恐ろしい思いをしたドナルドは自国アメリカのベッドの上で目覚めます。今までのことはすべて夢だったのです。
先ほどの世界が夢だったことにホッとし、アメリカ国民であることを喜ぶドナルドでした。
感想
敵国の辛さや恐ろしさを強調し自国愛を強めるように誘導するプロパガンダ映画。
複雑な思いで視聴してしまいますが、ドナルドの面白さや映画のクオリティの高さはいつも通り。
不覚にもサザエさんに似たシーンがあって笑ってしまいました。
「ダンボ」に似たトリップ描写もあり、不思議でちょっと怖い世界観はさすが。
観るたびに恐ろしい時代だなと思います。これを観てアメリカやディズニー、ドナルドを嫌いになるのではなく、こういう時代があり二度と繰り返してはならないのだと考えてほしいです。
42.ぼろぼろタイヤ
別タイトル:ドナルドのオンボロ自動車
原題:Donald’s Tire Trouble
公開日:1943年1月29日
監督:ディック・ランディー
登場キャラクター
ドナルド、タイヤ
あらすじ
猛スピードで車を走らせていたドナルドですが、タイヤのひとつがパンクしてしまいました。
仕方なく車をとめてタイヤ交換をはじめます。
ジャッキで持ち上げタイヤをはずし補修して空気を入れて・・・すべての作業に悪戦苦闘のドナルド。
なんとか交換を終え、走り出そうとしますが・・・。
感想
いつものドナルドで安心します。この安定感。
本題ではないですが最初の暴走運転シーンでの土ぼこりの描写がお気に入り。
あとはバグパイプのようになったタイヤからの「ポッ」やあらゆる部品に挟まる変幻自在のドナルドなど見所は盛りだくさんです。
最後にはドナルドの頭もパンク。昔のタイヤ交換って大変そう・・・。
43.ドナルドのボロ飛行機
原題:The Flying Jalopy
公開日:1943年3月12日
監督:ディック・ランディー
登場キャラクター
ドナルド、ハゲタカ
あらすじ
中古の飛行機を買いに来たドナルド。
悪いハゲタカに目をつけられ、ボロボロの飛行機を勧められます。
飛行機が手に入り1万ドルの保険にも満足したドナルドは契約しますが、実は保険金の受取人はハゲタカ。
そうとは知らないドナルドはさっそく飛行機に乗ってみます。
ハゲタカは保険金を受け取るためにドナルドが事故を起こすよう画策しますが・・・。
感想
前作に続きボロボロな乗り物のお話。ドナルドはまた空に憧れているようです。
今回の悪役であるハゲタカは悪いやつですが雲に乗ったり雲を運んだりするところが気に入っています。
ほかと比べて怖い描写も多いけど子供の頃から好きな作品。「数々のピンチを切り抜け最後には悪いやつが痛い目に合う」のが良いのです。
ラストはスカっとする、分かりやすい敵がいればドナルドにも勝ち目ありなお話でした。
44.ドナルドの軍隊行進
原題:Fall Out Fall In
公開日:1943年4月23日
監督:ジャック・キング
登場キャラクター
ドナルド、他の兵隊たち(人間のキャラクター)
あらすじ
軍隊の最後尾で行進している兵隊のドナルド。
最初は意気揚々と歩いていましたが、距離の長さと天候や環境の厳しさでふらふらになってしまいます。
夕暮れにやっとキャンプ地へ到着。食事にありつけると大喜びのドナルドですがその前にテント張るよう命じられます。
食事もとれないままテントと格闘している間にあたりは暗くなっていき・・・。
感想
ドナルド軍隊シリーズのひとつ。
今回はピートもいなくて寂しかったんですが、ドナルドの荷物の中に大量のデイジーの写真が入っていたのが予想外で嬉しかったです。デイジー久しぶり。
前半は歩いているだけなのに色々な見せ場があって(お尻も大活躍)面白い。私は砂漠地帯のような暑さが伝わる描写が好きです。
後半はご飯も食べられないし、やっぱり眠れないドナルド。過酷ですね。
45.ドナルドの新兵さん
原題:The Old Army Game
公開日:1943年11月5日
監督:ジャック・キング
登場キャラクター
ドナルド、ピート、他の兵(人間のキャラクター)
あらすじ
駐屯地で夜の見回りをしていたピート軍曹は兵たちがベッドを抜け出していることに気付きます。
そこへちょうどこっそり帰ってきたドナルドを待ち伏せしますがドナルドは巧みに箱の中へ身を隠し捕まえられません。
イライラしたピートは箱を蹴飛ばし、中にいたドナルドが気がついたときには下半身が地面の穴にはまり箱は真っ二つに割れた状態。
それを見て自分の下半身がなくなってしまったと勘違いしたドナルドは・・・。
感想
引き続きドナルド軍隊シリーズ。
気付いていないとはいえピートの腕枕で寝るドナルドがかわいかったです。
箱の中に隠れる様子は「シンデレラ」のティーカップのシーンみたい。
一番のお気に入りはやっぱり2人で下半身を悼むところ。ドナルドの想像の中でお尻が天に召されていくシーンは最高でした。
あとがき
いかがでしたか?
今回は共演も少なくちょっと寂しいですね。次に期待したいです。
ということで次回もお楽しみに!
感想記事はこちらからも探せます↓
コメント
ドナルドの新兵さんの〇銃自〇しようとするドナルドの場面は豆の木の飢餓で気が狂う場面と同じくらい狂気に満ち溢れていると思う。(一部伏字にしました)
コメントありがとうございます!
分かります、古いディズニーアニメ独特の狂気感…!
デイジーの同じようなシーンとして「ドナルドのジレンマ」も思い出しちゃいました。